<薄型テレビ>「SED」発売時期が大幅に遅れる

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060228-00000068-mai-bus_all

キヤノン東芝は04年、合弁会社「SED」を設立。200億円を投じてキヤノンの平塚事業所(神奈川県)に生産ラインを設け、05年8月から月産3000台を生産し、同年中に両社別々のブランドのテレビとして発売し、「2010年には40型以上で20〜30%のシェアを狙う」(鵜澤俊一・SED社長)戦略だった。
 しかし、重要技術の特許出願をせず、技術を社外に一切出さない方針を徹底したため、主要部品などを外注できず、開発スピードが思うように上がらなかった。その間、ライバルの液晶、プラズマは価格が急落。このため、当初の想定より低コストで量産できる技術開発が必要になり、昨年4月、両社は発売時期を06年春に延期した。

低コストでの量産のめどが立たないため、発売時期を遅らせるそうです。
そんな馬鹿な理由が!
発売を遅らせると言うことは、生産技術の確立も遅れるわけで…。
松下やシャープといった国内のパネルメーカーのパネル生産ラインへの投資は数千億のレベルとなっていて、そんな工場から生産されるパネルはいまのSEDのそれとは比較にならんほどの低コストの模様です。
さらに、現在の工場では月産数百枚とか書いてますが、それは事業計画が甘すぎたとしか言いようがないわけです。
しかしながらそんなことはずいぶんと前から予測できるわけで。どうもここに書いてある理由が真因とはあまり思えないのです。
大型のSEDディスプレイを発売したとして、そのような品物を購入する層は確実に見込めるわけで、その後のコストダウンや量産に向けての準備を考えたら、少なくとも今年中には何らかの生産品が出てこないといかんと思うのですよ。それが出てこない。そのへんをごにょごにょと考えて、いくつかの推察をば…
1.大型パネルの生産技術がない
2.歩留まりが非常に悪い
3.長期信頼性等に何らかの問題がある
この中で個人的に一番臭いなと考えるのが1.です。SEDが目指す市場はハイエンドパネル、つまり画質に関しては問題のないSEDですが、大きさには非常に問題があると言えるのではないでしょうか。
現在、液晶の最大サイズは65インチ。一方SEDは、2007年に50インチのパネルを作ると、去年の夏に発表しています。サイズだけで考えると液晶には完全に遅れを取っているわけです。日本だけで考えると、サイズが大きくて画質がそこそこのパネルと、画質は綺麗だけれどサイズはそこそこ、という要素は天秤にかけられるかも知れないですが、家のでかい欧米では大型サイズのパネルがそろえられないとなかなか戦いづらいところがあると思います。
今年あたりから、北米ではフラットパネルの大幅な需要増が見込まれており、このへんの市場で勝っていける仕様の物を出していかないと、リングにすらあがれない可能性が出てきます。
この記事ならびに僕のかってな推察を考慮すると、今後、東芝キヤノンの取る道は、撤退か、大幅増資の前倒しという2択となるわけですが、どちらの選択肢を取るのか、今後の動向が気になるところですね。