消費電力について考える - その1 - リーク電流

最近のCPU,GPUって消費電力がバカみたいに増えてますよね、下で紹介しているGeForce 6800 Ultra、5V電源を2つ使って、なんと160Wもの消費電力を誇るそうです。Prescottも真っ青ですね。で、ここに出てくる消費電力ってなんやねん、という話になってくるわけです。なぜICは電力を消費してしまうのか、最近のチップってなんで消費電力が大きいのだろうか、というところについて考えてみたいと思います。
第1回は、リーク電流について考えてみます。リーク電流としては、トランジスタがオフの時にソース-ドレイン間に流れる電流のことを一般的には指します。0.18um世代ではそれほど気にならなかったこの電流、プロセスの微細化がすすむことによって、無視できないレベルに来ているのが今の状態といったところです。プロセスを微細化することによって、ソースとドレインの距離が取れなくなり、電流が非常に漏れやすい状態である、トランジスタの能力を優先させるため、ゲート電圧の閾値を低めに設定してある事が原因として考えられます。
簡単に説明すると、ピーク水流を確保するためにがんばった結果、しっかりと閉じることができなくなった蛇口のような状態になっているということです。これでは電流の消費を押さえることができません。
ただ、このリーク電流、デスクトップ用途においては、90nmのリーク電流程度では特に問題視されていないようです。リーク電流が本格的に問題となってくるのは、次の65nm世代からと言われています。なので、65nmプロセスでは新規プロセスを導入し、問題を解決しようと試みています。モバイル用途においては、トランスメタ社のLong Run 2のような技術によってリーク電流を画期的に押さえるような試みも一部では行われているようです。